ソーラー発電防獣電気柵システムの製作(その2)
特別な使い方をしているわけでもないし、では部品不良か?
ソーラーパネルの大きさと、バッテリーの容量については、大体こんなものだろうという感じで、実はあまりよく考えていなかったのでもう一度整理してみました。
とりあえず充電器を作ってバッテリーを充電して、電気柵システムの消費電流を測定してみると、動作中に大体70mA~90mA位流れていました。使用していたソーラーパネルは公称5Wというもので、最大電流は277mAです。実際に測ってみると、正午前後でも、うす曇の状態では100mAを割り込むことがあります。雨の時は測ったことがないのですが、おそらく50mA前後になるのではないでしょうか。使用したバッテリーは5AHですから、満充電で50時間くらいは持つ計算になりますが、実際に12V以上の電圧で考えればこの何割かと思われます。動作時間はおおむね夜7時から朝5時までとすると、約10時間。バッテリーだけで充電しないと、4,5日程度の動作の容量と思われます。充電に必要な明るさが得られる発電可能な時間は朝7時から夕方5時までとして10時間。ソーラーパネルから平均100mA の充電電流が得られれば、バッテリー容量もほぼ満充電から減ることはないことになります。
実測してみた限りでは、6月の日差しでは、正午にうす曇で100mA位ですから、朝夕の太陽の低い時間帯、特に今回設置した場所は午後3時以降は日陰になるので、一日中晴天であればともかく、晴れたり曇ったりでも平均100mA を維持するのは難しかったと思われます。したがって、先日のように丸1日雨の日が数日も続くと、充電不足に陥り、バッテリー容量が底をつくことになります。
さらに、いったんバッテリー電圧が下がってしまうと、バッテリーが充電されなくなってしまうこともわかりました。今回使用した充電コントローラー(CM04-2.1)には明確に何ボルト以下になると充電制御不可能になると仕様上は明記されていませんが、秋月電子のWebサイトにある使用上の注意事項には「バッテリーは完全放電していなくて電圧は12V以上あること」となっています。これが実は重要で、バッテリー電圧が下がってしまうと充電コントローラーが動作しなくなってしまうのです。充電されず、システムは永久に動作しなくなります。ちょっと仕組みは異なりますが、福島の原発が津波で電源を失って制御不能になったのにたとえることができるかと思います。
以上のような問題があることがわかったので、バッテリーの容量を大きくするか、ソーラーパネルを大きくする必要が生じました。バッテリーを大きくすれば容量に応じて動作時間が増えることになりますが、消費するだけの電流以上の充電がされないと、いずれは容量不足となることになります。曇っていても、朝夕の日照の弱い状態でも100mA 程度以上の電流が常に確保できれば、バッテリーは満充電状態となり、容量不足を起こすことがなくなる計算です。
そこで、パネルを12Wタイプのものにスケールアップすることにしました。最大電流0.67Aです。実際に測ってみるとうす曇の夕方でも200mA近い電流が得られました。
左が5Wタイプ、右が12Wタイプ セルの面積も2.5倍になっている
角度も30度くらいに寝かしたほうが発電電流も多くなることが確認できました。
ソーラー発電、充電システムは私が当初考えていたより奥が深いことを学びました。オフグリットソーラー発電のようなシステムを考える場合、負荷によってバッテリー電圧が、システムが動作できなくなる電圧以下にならないように検出、出力遮断することが必要です。そうでないと、再起するのに外部電源によって充電する必要が生じてしまうのです。
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コメント
満充電には13.5V以上、無線機器の例で言えば13.8Vほしいです。水素過電圧ありますから。我が家の車のサブバッテリには、セパレータなるものを取り付けてありますが、10.5V以下になると切り離されるようです。
投稿: Ken GODA | 2013/06/25 20:10