温燻スモーカーの製作と燻製作り
近所にいろいろ田舎生活を指南してくださる方が居り、以前からこの方の自家燻製をいただいていたのですが、これがめちゃくちゃおいしくて、やってみたいとは思っていました。これまでも市販のスモーク缶を使って、真似事はやったことがあったのですが、決してうまくいったことがなかったので、それなりの技術が必要なのだろうと思っていました。簡単にできるから自分で作ってみればと誘わ、まさに見よう見まねでやってみたところ、ポイントさえ押さえれば、誰にでもできるということがわかりました。私の製作例を紹介します。
スモーカーBOXは特別な構造が必要なわけではなくと、温度を一定にできる構造と、ある程度の容量があれば特別な寸法、設計は不要です。実際私も、前述の先生のスモーカーボックスを一度見せてもらっただけで、寸法などは計って作ったわけではなく、ああーこんな感じかという程度で適当です。
今回紹介するのは、いわゆる温燻で、約70度の温度で2-3時間スモークするものです。燻製は冷蔵庫で保管すれば1ヶ月は保存できますのでまとめて作っておけます。酒飲みには堪えられない味です!
鶏肉(ムネ肉)や豚肩ロースなら3時間、燻製卵なら2時間ほどの燻煙でできます。
鶏ムネ肉燻製前
鶏ムネ肉燻製後(3時間燻製、途中で一度ひっくり返しています)
スモーカーBOXはベニヤ(12mm厚コンパネ)で製作しました。熱源は七輪に豆炭を使用します。これは温燻温度70度で3時間以上維持するのには最適と思われます。電熱器を使用する方法もいろいろ紹介されていますが、低温に一定にする温度調節が難しく、少量で燻製するには難があります。木炭の場合、3時間火力を維持するのは難しく、長時間の火力という点で、昔からある豆炭を利用するのが適しています。豆炭はホームセンターで販売されています。
七輪を熱源にすることで、構造は決まってきます。熱源部とスモーク部の2層構造にしました。
熱源部と上に乗せるスモーク部(製作途中)
熱源部にスモーク部を差し込んで使用すします。
寸法はコンパネの板取の関係から一片の幅を約450mmとしました。コンパネ2枚で製作可能です。
七輪を熱源に配置し、空気取り入れ口を設けます。
七輪は使用中に動いてしまうと空気取り入れ口がずれてしまうので、位置決めの部材を底面に設けました。
空気取り入れ口は、空気の量で温度調整を行うため、調整できるようにします。
3mmのベニヤと床にはるビニールの端材で調整用のスライド扉を設けました。
空気取り入れ口と七輪の空気穴をつなぐダクトは、最初ペットボトルを利用して製作しましたが、チュウハイサワーのアルミボトルがちょうどよい大きさだったので、これをシリコンシーラントで接着して使用しています。
スモーク部は上部に燻製するものを乗せる棚を作ります。私は、6mmの寸切棒を使用しました。この上に網を乗せますが、大きな肉はこの棒に引っ掛けて燻製することもできます。この上に5mmピッチの金網を乗せ、その上に食材を乗せます。
側面に穴を開け、内部からダブルナットで固定することで、壁面からの突起はありません。
スモーク材をいれたり、火の加減を確認する穴を設けます。
側面と同じ12mmのコンパネ材で蓋を作り、ダルマ穴で固定するようにしました。
上部にかぶせる蓋。温度計を差し込む穴を開けてあります。
スモーク部を取り外したり、運ぶのに使用する取っ手を設けました。コンパネの地のままでは汚れやすいと思い、クリア塗装をしました。なぜか、ローズウッドのような色調に仕上がってしまいました。(最初の画像参照)
ガラス温度計を差し込んで使用します。
スモーク材は山桜の木っ端(薪作りをした際にでる切れ端)と市販のチップ。チップは瞬間的にスモークが大量に出ますが、短時間で終わってしまいます。木っ端は長時間スモークが出るので時間をかけてスモークするのに適しています。市販のチップ以外に玉割をするときに出る大量のチェーンソーのくずも利用できます。(ただし、乾燥させておかないとカビが生えます)
木っ端とチップを併用することでスモークの加減が自在にできます。
寸切棒のところに大き目のムネ肉と豚肩ロース肉を引っ掛けた
燻製完了(3時間)
卵(クン玉)は欠かせないですね! ボイルしたホタテも燻製にすると最高です!
下ごしらえは漬け液(ソミュール液)を使用しますが、作り方を含め、いろいろWebで紹介されていますので、そちらを参考にしてください。私が見た限りでは基本的なレシピは私が先生に聞いたものとほとんど同じです。好みに合わせて塩分量を調整する程度でしょう。
下ごしらえに手間はかかりますが、ベーコンもとてもおいしくできますので、ぜひためしてみてください。
うまく作るための基本は燻製温度を70度程度で一定にすること。豚肉、鶏肉300g-500gくらいのかたまりであれば3時間で燻製できます。豆炭を熱源にすることで、空気の調整で簡単に温度コントロールできます。上部はほぼ密閉されているため空気はほとんど供給されないように思えるのですが、しっかり燃焼しています。したがって空気を入れすぎると温度が上がりすぎてしまいます。豆炭の着火には少量の炭を利用すると簡単です。私の作ったBOXの場合、豆炭8個程度で3時間のスモークを2回できます。1回であまった場合には、豆炭を消し壷にいれて消火し、再度使用することができます。
休日の午後は、庭の手入れをしながら燻製作りはいかがでしょうか・・・
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コメント
私も燻製ボックスを作りました。
http://copley.blog77.fc2.com/blog-entry-24.html
投稿: Copley | 2013/05/03 07:17
Copleyさん、コメントありがとうございます。超豪華、家具みたいな作りのスモーカーですね!
投稿: 世界は広すぎる | 2013/05/03 13:04