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2007/01/25

モールス信号展 Malton Airport Gallery

トロントピアソン国際空港の第一ターミナル国内線を出てまっすぐ行ったところにMalton Airport Galleryという展示コーナーがあります。この展示コーナーは新ターミナルと一緒にできました。ほとんど訪れる人もなく、 存在感のない展示コーナーですが、展示内容は場所柄か航空機に関したもので、また、展示内容はRoyal Ontario Museumなどが行っているかなりしっかりしたもので、お金もけっこうかかっているように見えます。
最近、ここでモールス信号に関する展示が行われていました。残念ながら1月7日に、この展示は終わってしまいましたが、 かつてアマチュア無線家だった私は、空港に行く折、何度かここを訪れました。先日、閉幕する直前に、日本へ向かう飛行機を待つ間、 じっくりと見てきましたので、様子をお知らせしたいと思います。
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モールス信号は1837年にサミュエル・モールス(下の写真)という人が発明したのですが、 彼の発明したものは信号自体も現在のものとは全く異なっていたそうです。その後電信装置やモールス符号に改良が加えられ、 実際に通信として使用されるようになったのはおよそ150年前からと言うことです。
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モールス信号は有線通信としては鉄道とともに発達したようです。 鉄道の運行状況などを連絡するために線路と併設して設置された電線を使用していました。原理は小学校で習った電磁石そのもの。
下の写真は実際に通信に使われた初期の電鍵と電磁石で1870年ごろに使用されたもの。
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これは1848年から1880年ごろまでの間に使用された、Camel back keyという名のついたらくだのこぶのような形の電鍵です。
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下の電鍵はSideswiper keyというキーを上下でなく左右に操作する「横ぶれ」電鍵で、 1900年代初めごろに使用されたものです。当時電信オペレーターが長時間電鍵を操作することによるCarpal tunnel syndromeという職業病になることがあり、これを避けるため、時々横ぶれキーを操作するようにして、このひじの問題を防いだ、 というようなことが記載されていました。
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下の2列になっている電鍵はSubmarine cable keyという海底ケーブル通信用の電鍵です。
説明によると、海底ケーブルは大変距離が長いため、線間容量が非常に大きく、通常とは異なる通信方法を取っていたそうです。 一本のケーブルに片方の電鍵をつなぎ、これを押すと短点としてプラス側の電圧が、もう一本のケーブルに他方の電鍵をつなぎ、 これを押すと長点としてマイナス側の電圧を印加する。すなわち、差動になっていたということでしょうか。 2本の指でキー操作をしていたと思われます。
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電信はその後1900年ごろから無線通信に利用されるようになります。下の写真は1910年イギリスのマルコニー社製のスパークコイル。 コイルに電流を流し高電圧を発生させ、電極間のスパークを起こさせるもので、送信機というよりノイズ発生器に近いものだと思われます。
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同じくマルコニー社製Magnetic detector、受信した信号を電磁石の動きに変えるものと思われますが、 どのような原理で動くのかはわかりませんでした。
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同じくマルコニー社製チューナーです。
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マルコニー社製電鍵。1923年
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これは1938年製の航空用ラジオビーコンの自動モールス発生器部分です。よくとってあったと思います。常時「A」と「N」 を送信するシステムで、ブリティッシュコロンビア州のCastlegarというところの飛行場で飛行機のアプローチ用に使用されていたもの。
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これはアマチュア無線の世界でも有名なアメリカバイブロプレックス社のセミオートキー。1920年製。
メカニカルな機構で「短点」が自動的に打ち出される画期的な電鍵です。このキーは実際にカナダ・ナショナル・ テレグラフ社で女性オペレーターが39年間使用したものだそうです。
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これは1952年製アメリカ Electric Eye Equipment社のMonkeyという電子キーです。 大きさから見ても真空管式と思われますが、長点、短点を自動的に発生させる電鍵です。恐らくアマチュア用。
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アマチュア無線はこの時代、無線通信の発達に大きな役割を果たしています。
VE4ZTというカナダのアマチュア無線家。

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VE3CGOというカナダのYL。56年間電信をやっていたと記されていました。よく見ると電鍵が5台くらい並んでいます。
真ん中にあるのは日本製トランシーバー。
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1959年製アメリカHallicrafters社製アマチュア専用受信機です。通称「ハリクラ」、私も見たのは初めてです。 日本製無線機が世界を席巻する前にアマチュアの世界に君臨した名機です。
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1960年製E.F.Johnson社製アマチュア送信機。
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まだまだ沢山紹介したいのですが、この辺で。
モールス信号は現在商用としては軍用やビーコンなどごく一部を除いて使用されておらず、その使命を終えているといってもよいでしょう。
展示内容や説明には、展示者の、並々ならぬ情熱を感じました。残念ながら、今回は紹介しきれません。 この展示がほとんど注目されなかったようで、残念です。展示物はCanada Science and Tecnology MuseumとRoyal Ontario Museumの所有物のようなので、一度こちらも見てみたいと思います。
Malton Airport Galleryはターミナル1国内線出口をまっすぐ進み、突き当たり左側にあります。 照明が暗いので閉まっているようですが、空港が空いている時間はいつでも入れるみたいです。今何をやっているのか、 近いうちに調べて来たいと思います。
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展示のパンフレットもご覧ください。クリックすると拡大します。
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